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単品界面活性剤及び複合界面活性剤とも、MDPC法で乳化性能試験を行ったところ、基準値を大きく上回る良好な結果が得られ、航空機散布用油処理剤の試作に関する方法の知見が得られた。
(2)対生物毒性(ヒメダカ)
表3−10に示すように、複合界面活性剤について、舶査第52号でヒメダカによる毒性試験を行ったところ、750ppmで全数致死した。これは、3.2.1の(4)でも述べたが、複合界面活性剤の一部に毒性の高い界面活性剤があり、この影響によることが分析結果から判明しており、配合比又は新たな界面活性剤との組み合わせを検討する必要がある。
(3)航空機散布用油処理剤の要求性能
砕け波のない穏やかな波面の撹拌状況で油処理剤の乳化性能を評価する方法として、新たにMDPC法を開発した。
これにより、本調査研究で試作した航空機散布用油処理剤の乳化性能を求めることが可能となった。さらに、海外で開発した航空機散布用油処理剤の乳化性能を評価する際にも適用できる見通しを得た。
本MDPC法は、海外の各試験方法の長所及び短所を調査検討するとともに、本調査研究で採用した横揺振とう法や多くの予備試験の成果を踏まえて開発したものである。
(4)成果の発表
国際海事機関(IMO)が主催する油汚染に関する研究開発フォーラムにおいて、本調査研究で開発した高粘度油用油処理剤及び航空機散布用油処理剤の性能を評価する手法であるMDPC法を発表する予定である。

 

 

 

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